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個人事業主やフリーランスが事業のために借りるお金は、総量規制(年収の3分の1)の例外として扱われます。
ただし、そのためには確定申告書などで事業の実態を確認され、返済能力を超えないと認められる必要があります。
このページでは、条文と各社の公式サイトで確認できる内容だけを整理します。
審査の基準は各社が決めていて外からは分からないため、「通る」「甘い」といった書き方はしません。
事業資金は総量規制の例外になる
貸金業者からの個人向けの借入は、他社の分と合わせて原則として年収の3分の1までです(貸金業法第13条の2)。
ただし、事業を営む個人への貸付は「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約」として、この上限の対象外になります(貸金業法施行規則第10条の23第1項第4号)。
条文が求めている条件は次の2つです。
- 実地調査、直近の確定申告書の確認などの方法で、事業の実態が確認されていること
- 事業計画・収支計画・資金計画に照らして、返済能力を超えない貸付と認められること(借入額が100万円以下のときは、事業の状況・収支の状況・資金繰りの状況で判断)
つまり、事業資金なら無条件に年収の3分の1を超えて借りられる、という意味ではありません。
確定申告書を出せることが出発点になります。
これから事業を始める人への開業資金についても、事業計画・収支計画・資金計画の確認を条件に、同じ扱いが認められています(同項第5号)。
総量規制そのものの仕組みは総量規制とは?年収の3分の1を超えても借りられる例外にまとめています。
資金調達の選択肢と、その違い
| 方法 | 仕組み | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 | 政府系金融機関からの借入。創業・小規模事業者向けの制度がある | 金利は民間より低い水準だが、面談と事業計画の説明が必要で、時間がかかる |
| 銀行・信用金庫 | プロパー融資、信用保証協会の保証付融資 | 決算(確定申告)の内容と取引実績が前提 |
| 登録貸金業者の事業者向けローン | 借入。総量規制の例外(上記の条件を満たす場合) | 登録番号の確認。金利は年率で比較する |
| ファクタリング | 借入ではなく、売掛債権の売買 | 手数料は年率表示ではないので、期間で割って年率に直して比べる |
公的な制度から先に検討したい場合は、日本政策金融公庫や、お住まいの自治体の制度融資(信用保証協会の保証付き)の窓口に相談するのが確実です。
中小消費者金融の事業者向けローン(28社を調べた結果)
「消費者金融で事業資金を借りたい」と考える人が多いので、当サイトが登録を確認している中小消費者金融28社の公式サイトを1社ずつ調べました。
個人事業主や法人向けの商品を出していたのは7社です(2026年10月10日確認)。
| 業者(登録番号) | 商品名 | 融資額 | 実質年率 | 対象 |
|---|---|---|---|---|
| いつも 高知県知事(5)第01519号 | ビジネスローン | 1万円~500万円 | 4.8%~18.0% | 20歳以上65歳以下。法人は代表者の連帯保証が必要 |
| AZ 京都府知事(6)第03407号 | 事業サポートローン | 10万円~1,000万円 | 7.0%~18.0%(100万円以上は7.0%~15.0%以下) | 業歴1年以上の個人事業主・法人 |
| アムザ 福岡県知事(4)第08682号 | ビジネスローン | 50万円~500万円 | 15.0%~18.0% | 法人・個人事業主。法人は代表者が連帯保証人 |
| エクセル 福岡県知事(6)第08636号 | 事業者ローン(個人事業主専用) | 1万円以上300万円未満 | 12.0%~20.0% | 満20歳以上60歳未満。法人は対象外 |
| キャネット(鹿児島市) 九州財務局長(8)第00127号 | 事業者ローン(個人事業主専用) | 1万円以上300万円未満 | 12.0%~20.0% | 満20歳以上60歳未満。法人は対象外 |
| ハローハッピー 大阪府知事(7)第12823号 | 事業資金ローン | 100万円まで | 10.00%~18.00% | 公式サイトに年齢の記載なし。1~48回 |
| ユニーファイナンス 関東財務局長(14)第01527号 | ビジネスローン/スーパービジネスローン | ~200万円/100万円~1,000万円 | 12.00%~17.95% | 自営業で満23歳以上70歳未満。現在は新規申込を停止中 |
このほか、もみじファイナンス(広島県知事(7)第02698号)は資金用途に事業資金を含むと案内しており、サクッと!ちょいカリ(東京都知事(2)第31850号)は個人事業主の場合は生計費と事業費に限ると書いています。
残りの19社は、個人向けのフリーローンや不動産担保ローンだけで、事業者向けの商品はありませんでした。
公式サイトを読んで分かった注意点が4つあります。
- 「新規開業の資金」は断られることが多い:エクセルとキャネットは「新規開業の事業資金の貸付けは行っていません」と明記しています。条文のうえでは開業資金も例外になり得ますが、実際に扱う会社は限られます
- 見られるのは「所得」ではなく「収入」:エクセルとキャネットは「確定申告書の『所得』欄ではなく『収入』欄に記載された売上額が貸付審査の対象になります」と書いています。さらに売上高100万円以上という条件があります
- 実地調査がある:この2社は、事業の確認として実地調査や各種書面での確認を行うとしています。借入計画書(当社所定の書式)の提出も必要です
- 法人が借りられるのは4社:いつも・AZ・アムザ・ユニーファイナンス(スーパービジネスローン)です。いずれも代表者が連帯保証人になります。エクセルとキャネットは法人への貸付を行っていません
ユニーファイナンスは、公式サイトの事業者向けローンのページに「現在新規ご契約のお申込みを停止しております」と表示されています(2026年10月10日時点)。
他社の比較サイトに掲載されていても、いま申し込めるとは限りません。申し込む前に、必ず公式サイトで確認してください。
各社の詳しい条件は、登録を確認した中小消費者金融の一覧と、各社の公式サイトで確認できます。
事業者向けローン:MRF(株式会社エム・アール・エフ)
福岡市に本店がある登録貸金業者で、不動産や売掛債権を担保にした事業者向けの融資を扱っています。
金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで、福岡財務支局長(5)第00173号として登録を確認しました(2026年9月28日確認)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社エム・アール・エフ |
| 登録番号 | 福岡財務支局長(5)第00173号(有効期間 2024年6月8日〜2027年6月7日) |
| 本店所在地 | 〒810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通5丁目23番8号 サンライトビル6階 |
| 日本貸金業協会 | 第005731号 |
| 設立 | 平成24年4月 |
| プラン | 融資限度額 | 契約年率 |
|---|---|---|
| 長期間元金据置プラン | 3億円まで | 年4.00%〜9.90% |
| オーダーメイドプラン | 3億円まで | 年6.00%〜15.00% |
| ブリッジプラン(短期) | 3億円まで | 年5.00%〜9.60% |
| バリエーションプラン(診療報酬債権・売掛債権を担保) | 3,000万円まで | 年7.00%〜15.00% |
| 不動産事業向けプラン | 3億円まで | 年6.57%〜12.00% |
| 不動産事業向けプラン 3ヶ月償還型 | 3億円まで | 年4.50%〜6.60% |
担保にできる資産がない場合は、このタイプの融資は対象外になります。
その場合は、次のファクタリングか、公的な制度融資を検討してください。
ファクタリング:QuQuMo online(株式会社アクティブサポート)
ファクタリングは、取引先に対する売掛金(請求書)を買い取ってもらい、支払期日より前に現金を受け取る仕組みです。
借入ではないため、信用情報に借入として記録されず、総量規制の対象にもなりません。その代わり、売掛金がなければ利用できません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アクティブサポート(東京都豊島区南池袋2-13-10 南池袋山本ビル3階) |
| 契約の形 | 2社間(取引先への通知なし) |
| 手数料 | 1%から |
| 買取可能額 | 上限なし |
| 必要書類 | 請求書・通帳の2点 |
| 入金まで | 最速2時間(書類がそろっている場合) |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
手数料は年率で表示されません。
たとえば支払期日まで1か月の請求書を手数料5%で売った場合、単純に12倍すると年60%相当になります。
借入の金利と比べるときは、この換算をしてから判断してください。
ファクタリングを使うときの注意点
- 給与ファクタリングは貸金業にあたります。個人の給料を受け取る権利を買い取る形の取引について、最高裁判所は令和5年2月20日、貸金業法第2条第1項と出資法第5条第3項にいう「貸付け」に当たると判断しました。無登録の業者が行えば、ヤミ金と同じ違法行為です。
- 買い戻しや保証を求められる契約は、実質的に借入です。売掛先が支払わなかったときに利用者が負担する取り決め(償還請求権つき)になっていないか、契約書で確認してください。
- 手数料の総額を先に確認する。事務手数料・出張費・登記費用などが別にかかる場合があります。
申し込む前に確認すること
- 登録番号を自分で照合する:貸付を受けるなら、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで、商号・所在地・電話番号が一致するか確認してください。
- 確定申告書をそろえる:事業資金として総量規制の例外を使うには、事業の実態の確認が前提です。申告をしていない場合、この枠は使えません。
- 生活費と事業資金を分ける:生活費の不足を事業資金の名目で借りると、返済原資がないまま負債だけが増えます。
- 返済が難しくなったとき:中小企業活性化協議会(各都道府県)に、返済条件の見直しについて無料で相談できます。
